1月16日(水)~1月18日(金)東京青山TEPIAを会場に経産省とJiPDEC(一般社団法人日本情報経済社会推進協会)共催で標題のイベントが開催されていました。これは自治体職員の研修や官民協働事業の報告などが行われながらDX(デジタル・トランスフォーメーション)を推進しようという取り組みのひとつです。
私たちCode for TODAのメンバーは、昨年11月での「ハッカソン」において選ばれた2チームが官民の取り組みの例として表彰式に招待されましたので、その様子とともにDXの取り組みについて簡単に報告いたします。
表彰されたCode for TODAのメンバー
招待されたのは18日(金)の午後、このイベントの総括のプログラムの中で、まとめの報告や事業報告の中での事例紹介という時間でした。
JiPDECの「オープンデータ事業報告」で、官民データ活用推進基本法(平成28年度制定)における義務化されている都道府県に対して、あくまで「努力義務」とされる市町村において、戸田市での「官民協働した地域課題解決」の取り組みとしての事例となります。民間ニーズとしての地域課題に対して行政が保有するデータが提供され、それをアプリケーションという形として作成、事業化に資するという実例です。
Code for TODAのメンバー、優秀賞「興味でつながる共同体」(地域コミュニティ2.0チーム)と最優秀賞「市民が育てるtocoバス地域情報なび」(バスチーム)が壇上で表彰されるとともに、それぞれデモや報告が行われました。
講評としてメンバーでもある戸田市総務部次長兼情報政策統計課長の大山さんから、行政のオープンデータ活用ハッカソンにおいて、優秀賞のチームはこのイベントを契機に市民参加から新しい共同体チームが見いだされ、アイデア実現だけでなく新しい人材発掘にもなったこと。
最優秀賞チームは、コミュニティバスの市民へのナビゲーションアプリという利便性のみならず、バスを使ったバケーションといった新しいツールやより細かな地域情報の受発信というSNS機能で市民参加するアプリという、新しい「官民協働」の方向を示したことが評価されたという報告がなされました。(写真)
さて、私たちは行政の有するオープンデータ活用ということで取り組んできましたが、この会議に参加させてもらうことで、時代は加速度的にデジタル化、変化の具体化の局面に来ていることを実感しました。それが自治体DX(デジタル・トランスフォーメーション)という言葉です。
Digital Transformationとは、基調講演で内閣官房政府CIO上席補佐官兼経産省CIO補佐官の平本健二氏によると、AI、ICT社会の圧倒的技術進歩により加速度的に制度や考え方を変えなければならない時代を迎え、国家そのものが従来のアナログ時代のやり方では通用しなくなり、「変革なくしては未来はない」ということになる。
後発地域や国家は競争力の低下する日本経済を追い上げる一方で、高齢化で労働人口が減少する日本において、デジタル技術の進化は、人の仕事を奪うものではなく誰にも優しい、伸ばせる力や人の可能性を最大化できるものであるという。
そのために国家官僚や自治体職員の効率的・効果的業務により、国民・民間事業者にとって便利な行政サービスの提供は不可避である。税金の使い方から考えても官民協働でのデジタル化され、コスト削減された圧倒的な加速度に対応できるプラットフォームやパーソナライズされた制度、仕組みづくりが必要になる。
このことは普段私たちがいう「一番ICT推進で遅れているのは政治家と行政だ」という認識と一致する。その意味で現状認識を共有しつつ、官自らが「変化」を求める宣言であり、民からも官の応援をする必要があるというところで、真に対等な「官民協働」の社会変革を推進しようという革新的な動きではないだろうか。
まずは私たちも「トランスフォーマー(変革者)」になれるように努力したいと思います。
国や行政の在り方として「地域分権化を推進するための必要条件として、情報共有できる協働プラットフォームが不可欠」であり、ここを共有することによりあらゆることが標準化する方向が見えてきます。災害対応でのICS(インシデント・コマンド・システム)というマネジメント方法がありますが、そうしたISOのような、世界標準の指針のような「共通語」がこれからの個性を尊重する分権の時代の情報社会の行方なのかもしれません。